こんにちは、すーです。
今月は、赤ちゃんから成長した、子ども向けの絵本を紹介します。
『おちゃのじかんにきたとら』童話館出版
作:ジュディス・カー
訳:晴海耕平
女の子が、お母さんと一緒にお茶の時間にしようとしたところ、
トラが、礼儀正しく玄関のチャイムを鳴らします。
母子のお茶のテーブルに混ぜてもらったトラは、出ている飲食物をすべてぺろり。
そしてそれでは飽き足らず、家の中をどんどん物色して・・・
トラが次々と平らげていく様子が、「ぜんぶ」という言葉の繰り返しで
気持ちよいほどに描かれています。
日本人だと「えっ?!」というようなものまで、ぺろりごっくん。
そして、すっからかんになった少女の家の夕食は・・・
ただ事ではない状況なのに、語り口はとてもおだやか。
そして、描かれている少女ソフィーも、おだやかそのものです。
それどころか、食べ進めるトラをうっとりと愛でています。
さらに、最後の解決策を提示する父親も、落ち着き払っています。
このゆったりとした懐の深さ、愛情、切迫していない困惑が
この絵本の味わいだと私は思っています。
ありえない状況を、登場人物たちと一緒におおらかに楽しんでみませんか。
何度読んでも、しみじみ良い本だと感じます。
後日、のりこさんがこの絵本の原書を買ったよと教えてくれました。
英語版もいいですね。
見比べ、読み比べるのも楽しそうです^^
(すー)
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