【絵本】おおらかな愛情、11月

こんにちは、すーです。

今月は、赤ちゃんから成長した、子ども向けの絵本を紹介します。


『おちゃのじかんにきたとら』童話館出版

作:ジュディス・カー

訳:晴海耕平

女の子が、お母さんと一緒にお茶の時間にしようとしたところ、

トラが、礼儀正しく玄関のチャイムを鳴らします。

母子のお茶のテーブルに混ぜてもらったトラは、出ている飲食物をすべてぺろり。

そしてそれでは飽き足らず、家の中をどんどん物色して・・・


トラが次々と平らげていく様子が、「ぜんぶ」という言葉の繰り返しで

気持ちよいほどに描かれています。

日本人だと「えっ?!」というようなものまで、ぺろりごっくん。

そして、すっからかんになった少女の家の夕食は・・・


ただ事ではない状況なのに、語り口はとてもおだやか。

そして、描かれている少女ソフィーも、おだやかそのものです。

それどころか、食べ進めるトラをうっとりと愛でています。

さらに、最後の解決策を提示する父親も、落ち着き払っています。


このゆったりとした懐の深さ、愛情、切迫していない困惑が

この絵本の味わいだと私は思っています。

ありえない状況を、登場人物たちと一緒におおらかに楽しんでみませんか。

何度読んでも、しみじみ良い本だと感じます。


後日、のりこさんがこの絵本の原書を買ったよと教えてくれました。

英語版もいいですね。

見比べ、読み比べるのも楽しそうです^^

(すー)

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